2011/08/18
クラウドサービスを安心して使うには
最近、クラウドサービスを利用する人が増えてきました。メールの送受信、文書や図の作成・編集など、従来はパソコンに導入したアプリケーションソフトを使って行っていた作業が、インターネット上でできるようになります。無料のクラウドサービスも多く、スマートフォンなどパソコン以外の機器で外出先からも利用できる便利さから、普及に拍車がかかっています。
反面、インターネットに接続して利用するサービスのため、ネット上に保存した情報が消失したり漏えいしたりする危険もあり、セキュリティに注意する必要があります。
今回は、クラウドサービスを安心して利用するために押さえておきたいポイントを解説します。
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クラウドサービスとは、パソコンやアプリケーションソフトが備える機能をインターネット経由で利用するサービスのことです。
クラウドサービスでは、事業者側のシステム(サーバ)にパソコンやソフトと同じ機能や仕組みを用意し、利用者はインターネットからサーバにアクセスしてこれらの機能を使います。ネットの向こうに雲(cloud)のようなものがあり、「利用者は雲の中のソフトを使ったり、データの出し入れをしたりする」とたとえたことから、クラウドサービス、クラウド・コンピューティングなどと呼ばれています。
代表的なクラウドサービスに、Webメールがあります。通常はパソコンなどに導入したメールソフトを使ってメールを送受信しますが、Webメールでは、メールソフトの機能がネット上のサーバに用意されています。利用者は、パソコンやスマートフォンのブラウザからネット上のWebメールにアクセスし、メールの作成や送受信、管理ができるのです。
このほか、ネット上にファイルを保存しておける「オンラインストレージ」というクラウドサービスを使えば、パソコンの中のデータをバックアップしておくことができます。また、写真や画像を編集・閲覧できるクラウドサービスでは、デジカメで撮った写真をネット上に保存して、仲間同士で楽しむこともできます。
サービスの提供形態も多彩で、一つの機能・用途に特化したサービスを提供する事業者もあれば、Google(グーグル)やマイクロソフトの「Windows Live」(ウィンドウズライブ)のように、複数の機能を統合したクラウドサービスもあります。
クラウドサービスが便利なのは、情報をネット上の一箇所に集約できることです。例えば通常、パソコンのメールソフトでやり取りしたメールは、それを保存したパソコンでしか参照できません。しかしWebメールのクラウドサービスにアクセスすれば、どのパソコンからでも同じようにメールを読み書きできます。
使う機器を選ばないのも、クラウドサービスの大きな魅力です。多くのクラウドサービスはブラウザを通して利用できるので、パソコン以外にもスマートフォンやタブレット端末、情報家電などからでも利用できます。パソコンでスケジュールを登録して外出中にスマートフォンでチェックする、ということも可能になります。
またアプリケーションソフトを自分の機器に導入したり、データを保存する必要がなくなるので、スマートフォンなどの場合は、メモリ不足になる心配もありません。
さらには、自分だけでなく仲間同士や仕事上のチームで情報を共有するときにも、クラウドサービスは役立ちます。
こうしたメリットの一方で、クラウドサービスを安心して活用するにあたって、注意しなければならないこともあります。クラウドサービスを使うと、様々な情報を自分のパソコンの中に保存するのではなく「ネットを通じて事業者に預ける」ことになります。メールや大事なファイルもネット上のサーバに保存するということを、忘れてはいけません。何らかの理由でファイルが消えてしまったり、ネットでやり取りしている間に情報が漏れてしまうということもないとは言いきれないので、注意が必要です。
今回はGoogleとマイクロソフトのWindows Liveを例に挙げ、クラウドサービスを安心して活用する方法を見ていきましょう。
※この記事は制作時の情報をもとに作成しています。